沖縄へ引っ越してきて早や半年が経ち、ある日ふと、ペットボトルの水でお湯を沸かしているときに思いました。
「沖縄の水はマズい」という話をよく耳にするけど、実際のところどうなんだろう?
「沖縄は水の硬度が高い」というのはよく聞きますが、それが関係しているのでしょうか?
沖縄で住むにあたって、誰もが直面するであろう水問題。
硬度が高い水道水のメリット・デメリット、実際に半年間使ってみた感想など書いてみます。
目次
水の硬度とは?「軟水」と「硬水」の違い
水の硬度というのは、水に含まれているカルシウムやマグネシウムの量で決まります。
水が地層の中を通ってくるときに溶けだした、カルシウムやマグネシウムの量が少ないと、まろやかで飲みやすい「軟水」になり、多いと、硬く苦みやクセを感じる「硬水」となります。
WHO(世界保健機構)の基準では、下記のように分類されています。
0~60mg/ℓ未満 軟水
60~120mg/ℓ未満 中程度の軟水
120~180mg/ℓ未満 硬水
180mg/ℓ以上 非常な硬水
わたしの地元の山口県は40mg/ℓ、以前住んでいた大阪市は44mg/ℓで、軟水の部類に入ります。
そして、現在私が住む那覇市の硬度は、80mg/ℓ程度(平成27年)で、中程度の軟水の部類に入っています。(参考:那覇市上下水道局)
ちなみに、同じ沖縄県でも、名護市や本部町、恩納村などの硬度は43mg/ℓ、うるま市、沖縄市、糸満市などは硬度34mg/ℓと、地域によってばらつきがあります。(参考:沖縄県企業局 平成26年のデータ)
那覇市は、平成4年には170mg/ℓ程度あり硬水でしたが、その頃に比べたらだいぶ低くなりました。
これは、硬度低減化施設などの働きによるもの。そういった努力で硬度を下げているということは、やはり硬水というのは生活する上ではやっかいなものなんでしょうか?
硬度が高いとどうなの?メリット・デメリット
水の硬度が高いからといって、人体に影響があるわけではありません。
だって、ミネラルウォーターでも硬度が高い商品ってありますもんね。例えばエビアンだと304mg/ℓ。
人体に害があるなら、こんな高い硬度の水が販売されているわけありません。もっと高いものだと、1,000mg/ℓを超えるものもあるんですから。
【メリット】
カルシウムやマグネシウムなどのミネラルは、私たちが健康に生きていくために必要な栄養素。身体の組織を作ってくれる役割があります。
代謝を良くする効果や、脂肪を燃焼してくれたりもするので、ダイエットなどには硬水が向いていると言われています。
また、マグネシウムには💩を柔らかくしてくれる作用があるので、便秘の改善にも良いと言われています。
【デメリット】
人によっては、胃腸に負担がかかったりお腹がゆるくなったりすることも。硬水の硬さに慣れていないと、飲み心地が悪く感じたりします。
他には、使用感が挙げられます。石鹸の泡立ちが悪い、蛇口などに石灰分がこびりついて固まる、髪の毛がゴワゴワしてしまうといった弊害があるそうです。
また、料理にも影響が出ます。硬水でお米を炊くとお米がふっくらせずに硬くなるといいます。和食には軟水(だしをとる、日本茶を淹れる)、洋食には硬水(牛肉を煮込む、パスタを茹でる)と使い分けるといいようです。
和食の料理に合わない、ご飯が硬くなる、というところを考えると、「沖縄の水はマズイ」というのはうなずますね。
実際に使ってみた感じは?
以前住んでいた大阪市と、那覇市の現在住んでいるマンションとを比較してみます。
《臭い》
沖縄へ引っ越してきた初日、蛇口をひねった時の臭いにすごく抵抗を感じました・・・。
最初は顔を洗ったり、歯を磨いたりするときにも少し抵抗を感じてましたが、さすがにペットボトルの水を使うわけにもいかず。最近では慣れましたが、時折抵抗を感じるときも。
大阪に居た時は、ちょっと薬を飲んだりするときとかに、全然平気で水道水の水で飲んでいたし、野菜を茹でたりするときにも水道水を使っていましたが、現在は、薬を飲むときはもちろん、野菜や麺類を茹でるときにもペットボトルの水を使用しています。
《石鹸の泡立ち》
先日テレビで、どこかの国に住んでいる日本人の方が、石鹸が全然泡立たなくて困っていると言っていました。原因は、硬度が高いせいだと言っていました。
沖縄での生活で、泡立ちについては気になったことがないので、大阪に居た時と変わらないはずです。
日本では硬度は300mg/ℓまでに抑えているらしいので、硬度が100mg/ℓを切っていれば充分泡立つんじゃないかな?
《石灰分のこびりつき》
水に含まれている石灰分によって、蛇口やお風呂場の鏡などにこびりついたり、シャワーヘッドの穴がつまったりするらしいです。
このカリカリの原因は、水に含まれるミネラル分が固まったもの。
大阪に居た時にも、湯船のフチに多少のカリカリはついたのですが、沖縄の方が、カリカリがつく範囲は広いような気はします。シャワーヘッドを見てみると、穴が結構つまっていました。
湯船のフチは平らになっていて、どうしてもそこに水が長い間とどまってそこで蒸発していくので、その場所にカリカリが出来やすいのではないでしょうか。
一旦ついてしまうとなかなか取れないので、予防として、お風呂上りに拭いて水分を残さないようにするといいと思います。
《髪の毛のゴワゴワ》
大阪に居た時と変わらないかなぁ~と思っていたんですが・・・。
先日地元の山口県に帰省した際に洗髪したところ、(シャンプーは普段使っているものと同じもの)乾かした後の手触りが全然違う!すごく柔らかい手触り(@_@;) ビックリ
この差を知ってしまうと、これからが辛い_| ̄|○ ガックリ
沖縄の水道水に抵抗を感じる他の理由
屋上の貯水槽
沖縄にある建物を見てお気づきの方がいらっしゃるかもしれませんが、沖縄のほとんどの建物の上には貯水槽(貯水タンク)が乗っています。
現在では、ダムの開発や、海水を真水に変える技術などが進み断水することはなくなりましたが、沖縄は細長い地形で雨が降っても水を充分取り込む前に海へ流れ出てしまうこと、サンゴでできた土地で保水力が弱いなど様々な要因によって、昔はよく水不足になって断水になることが多かったのだそうです。そういった状況に備える為に、貯水タンクを設置しているんですね。
貯水槽のしくみは、地中の排水管から一旦屋上の貯水タンクへ水を引き上げ、その貯水タンクから各家庭へ水が供給される、というもの。
実はこの貯水タンクがくせ者で、定期的に清掃していないと、錆びたり、藻が発生したり、虫が入り込んだり、時には鳥の死骸などが入っていたりすることも(゚д゚;)
衛生的な面が気になりますよね。引越しなどで物件を探す時には、定期的にきちんと清掃がされているか確認した方が安心できますね。
最近では、断水になることもなくなってきているので、家を新築する際に貯水タンクを設置しない家もあるようです。メンテナンスが大変ですもんね。
気になる臭いは「塩素」かも?
水の臭いには、水の消毒の為に水道水に含ませている塩素が大きく影響するのですが、日本では水道法で0.1mg/ℓ以上塩素を含んでいないといけないというルールがあり、美味しく飲める水は、0.4mg/ℓ以下と言われています。(ちなみに大阪の塩素の量は0.4mg/ℓ)
塩素の臭い(カルキ臭)は、沸騰させるか、汲み置きして放置しておくと抜けますが、塩素が少なくなると雑菌が繁殖しやすくなるので、早めに使うように心がけてください。
浄水器の設置
沖縄の物件探しに訪れた際、1社目の不動産の物件の全てに浄水器がもれなくついてきていました。(例:浄水器リース料1,200円/月)
それほど、水道水の衛生面を気にする人が多いという表れなのかもしれませんね。
浄水器は、フィルターを通すことによって塩素の臭いや不純物などを取り除く効果があるので、気になる人は設置するといいと思います。
2社目の不動産で決めた今住んでいる物件には、浄水器はついていません。もしかしたら、最初に「つける、つけない」を聞かれたのかもしれませんが、覚えてないです(;^ω^)
実際に水道水を飲んでみた
ここでふと、沖縄の水道水、飲んでみたらどんな味なんだろう?と思い、ペットボトルの水と、水道水の水を飲み比べてみました。
左が水道水、右が硬度1.0mg/ℓのペットボトルの水
さすがに見た目には区別つきません。
まずは、臭い。水道水の方はやっぱり臭いはある。コップに鼻を近づけてグイグイ嗅いでようやく分かる程度ですが、塩素入ってるから仕方ないですね。う~ん、大阪の水道水と比べたい。
味はよく分からないけど、ペットボトルの方はまろやかってゆうのかな、口の中に余韻がふわーんと残るようなかんじ。鼻から抜ける香りなのかな?
水道水は、マズくはなかったです。もし水道水だと知らなかったら普通に飲むんじゃないかな?という程度。
臭いに関しては、この半年間で慣れているというのもあるので、もしかしたら実は、もっと強い香りがするのかもしれません。
地域や、それぞれの建物の設備にもよると思うので、味や臭いに敏感な方は苦手だったりするかも?
ペットボトルかウォーターサーバーか?
ペットボトルは安いし便利なんですが、重たい水を買いにいくのが大変。
さらに、空になったボトルがゴミの日までジャマなのと、フィルムを剥ぐのが面倒なんですよね。
私はひと月に2ℓのペットボトルを12~15本を消費するのですが、そのストックが場所を取るし、2ℓの水はすぐになくなるので、その分ゴミの量も半端ないですよね。
そんなペットボトルのデメリットを払拭してくれるのが、ウォーターサーバー。
最近では、病院や会社内などでも見かけますよね。ご家庭にも置いているという方も増えているのではないでしょうか。
常に熱湯も出せるので、ちょっとコーヒー飲むときとかにいちいち沸かさなくても、使いたい分だけサッとお湯が使えて便利。
お水のボトルを配達してもらえるし、飲み終わった空のボトルは回収してくれるのでとってもラクチン。繰り返し使えるリターナルボトルなら、地球環境にも優しいですよね。
さらに、カルシウムやナトリウム、マグネシウムなどのミネラルがバランス良く含まれているのに、硬度が低い軟水のものが多いのが嬉しい。
ウォーターサーバーなんて、家の中にあったらジャマじゃない?と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、最近のウォーターサーバーは、スリムで意外と場所を取りません。人が一人立てるくらいのスペースがあれば充分です。
水道水がどうも気になるな・・・という場合はウォーターサーバーの使用を検討してみてもいいですね(^-^)
ウォーターサーバーのメーカーを決めるときに注意しないといけないのが、配送エリア。
本州から距離が離れている沖縄は、ウォーターサーバーの配送エリアに含まれていないことが多いので、まず最初に確認しておきましょう。
まとめ
沖縄の水道水の硬度は、日本の平均に比べると高いですが、普通に生活する分には問題ない程度です。
強いて言えば、お腹が弱い方などはもしかしたらお腹がゆるくなったりするかもしれませんが、体質にもよると思うので、一度硬度が高めのミネラルウォーターを飲んで試してみるのも手ですね。
硬水だからダメ、とは一概には言えないので、神経質になる必要はありません。それよりもむしろ、塩素による臭いや、貯水タンクの方を気にするべきかなと思います。
塩素や浮遊物を取り除く浄水器を蛇口に取り付けたり、お湯も出てきて配達もしてくれるラクチンなウォーターサーバーを設置するなどすれば、特に問題なく沖縄の水道水と付き合っていけると思います(^^)
ウォーターサーバーを比較するときには、お住いの地域が配送対象のエリアになっているかをまず確認してくださいね。